2006年06月07日

量的緩和解除後の住宅ローン、どう選ぶ?

こんにちは。
ファイナンシャル・プランナーの山下修一です。

3月9日、日銀は金融政策決定会合の席上で2001年3月から導入した「量的金融緩和政策」を解除することを決め、即日に実施されました。

それから一週間はTVや新聞などの報道では「量的緩和解除でどうなる!?」という特集を組まれていたのは記憶に新しいと思います。

「量的緩和解除」という言葉ですが、私たち専門家にはなじみある言葉ですが、一般の方に尋ねてみると、「なんか難しい言い回しで意味がよくわからん!」という答えが結構ありました。

「とりあえずローン金利とかが上がるんでしょう?」と理解されていますね。

それでは「量的緩和解除」ちょっと復習してみましょうか。できるだけ簡潔にご説明したいと思います。

日銀は民間の金融機関に対して当座預金という口座を通じてお金を供給しています。

銀行はそこにあるお金を世の中の企業等に貸し出しているのです。

その当座預金は利息が不要なので、金融機関はコスト(利息)を払うことなく資金調達が出来ていたわけです。

そのお金を低金利で貸し出すことで利益を得ることができたのです。

このように当座預金にお金を潤沢に供給することを「量的緩和」といいます。

「量的緩和」の仕組みで低金利時代を続けていたのです。

しかし、今度からその当座預金の量を減らしていきますよ(量的緩和を解除する)という政策を行いますので、金融機関は今まで通りの資金調達ができなくなり、代わって金融市場から調達しなければなりません。

このように市場での需要が高まると調達金利は上がり、これまでの金利で貸し出すことが難しくなります。

そのような背景のもと、住宅ローンの金利が上がり始めていくわけです。
いかがでしょうか? 

そうなりますと、影響が出てくるのは、すっかり浸透してしまった低金利時代の継続を信じてお金を借りている方です。

長期固定金利のローンにしていればまず安心ですが、変動金利や短期固定金利のローンを組んでいる方は先行き心配になってきますね。

一方、これから住宅ローンを組もうとしている方も、できるだけ低金利のうちにと
駆け込み需要が出てきそうです。

今まではセミナーで「金利上昇リスク」をいくら説明しても、若い方は金利が上がった状況を経験してませんでしたので、なかなか理解して受け入れてもらえませんでした。

量的緩和解除を機にしっかりと金利に関心をもち、ご自身へのリスクヘッジの行動をしていただきたいと思います。

今回は特に商品についての解説は致しませんが、ネットが普及して情報が得やすくなり消費者は賢くなっています。

やはり金利先高警戒感から長期(20年以上)固定金利ローンへの人気が高まっているようです。

3月20日現在、メガバンクでは

 ○三井住友銀行が20年固定で2.78%、35年で2.86%
 ○三菱東京UFJ銀行が20年超~35年で金利が2.8%台の金利で出している
   のが目に止まります。

変則金利の個性派ローンで有名な新生銀行も長期固定ローンに参入するようです。ニーズを見て長期固定ローンに力を入れるところがまた出てきそうです。

熾烈な顧客獲得合戦が繰り広げられているから、我々にとっての住宅ローン選びに追い風になっていると思います。

ただ、少しでも返済で有利なものを見つけようと銀行間の金利比較も大切ですが、そもそも長期固定が本当に有利とは限りません。

将来にわたって金利上昇のシナリオでも、例えば中期固定金利(10年程度で一般的に長期固定よりも金利が低い)+固定期間終了後の店頭金利優遇(最近1%以上を導入してくる銀行もあります)のほうが総返済額が少なくなるケースもあります。

実際のご相談でシュミレーションしてみて判ったことです。

住宅ローンで最近特に感じることですが、仕組みは単純なようですが、適用可能な組み合わせがやたら多くなり、最適な答えを出すのが難しくなっているなあと思い始めている今日この頃です。

そうなると経験とアンテナの感度がモノを言いますね。
日々頑張らないと!

それでは、また。

※あと余談ですが、某メガバンクのトップが新聞紙のインタビューで『量的緩和解
  除での家計への影響は、ローンの金利も上がる一方で、預金金利も上がるか
  ら、プラスマイナスでゼロだ!』と発言していましたが、現状は[ローン金利の上
  昇度]>>>>[預金金利の上昇度]なので、なんか賛同できません。

  単に銀行へのもうけすぎ批判をかわした発言に映ってしまいますが...

投稿者 住むネット