ローン対決(金利)変動 vs 長期固定
こんにちは。
ファイナンシャル・プランナーの山下修一です。
「ゼロ金利政策の解除」から2ヶ月が経ちました。住宅ローンの金利上昇についての話題が以前ほどの過熱感が無くなったような気がします。
解除後も日銀総裁が金利引き上げには慎重な態度を取っていることから、「当面の金利はさほど上がることは無いだろう」というムードが市場関係者の間で漂っていることもあるでしょう。
長期固定型ローンの金利の目安となる長期プライムレートは、3月の量的緩和政策の解除から、2.10%→2.45%→2.65%と4ヶ月間で0.55%も上がったものの、最近は落ち着きを見せており9月は2.30%まで下がってきました。
一方、変動金利型ローンの金利の目安となる短期プライムレートはここ5年間ずっと1.375%で推移してきましたが、8月からは1.625%と0.25%上がりました。
長期金利の動向から、短期プライムレートもさほど上がって行かないのではないか?という見方もありますが、いずれにせよ住宅購入者にとって住宅ローンとの付き合いは『普通は何十年』と続くわけですから、金利の動きはがどこかで必ずあると考えておいて間違いないでしょう。
過去の金利の推移を見ていますと、1980年台後半からの急激な上昇がやはり印象に残っています。
短期プライムレートが1年半の間に4.5%→8.25%と4%近くも上がっていましたね。
セミナーでこのあたりのお話をしていると、ときどき、『あれはバブルが起こったからじゃないですか。』というコメントを頂きます。例外という印象で済ませたいところですね。
確かにそうなのかもしれませんが、
『その8%という水準にすぐに上がってしまったことが問題なのではなくて、近年の金利が<政策という重し>でゼロ近辺で動かなかった例外のほうを問題として注意しておくべきです。』
とご説明させていいただくと納得していただけます。
そして、今年に入って<その重し>が取れたことにより、金利がちゃんと!上下する環境が戻ってきました。
そのこと。しっかり認識しておきましょう。
金利の上昇速度は緩くなると予想されるものの、4%~5%までは行く可能性があるかもしれません。
そして、この10月は変動金利型のローンの金利の改定時期です。長らく馴染んできた「2.375%」の数字との別れがやってきそうです。
ということで、本日は変動金利型ローンの今後の影響を想定してみたいと思います。
変動金利型のローンですが、これを選ばれる方は多いです。
目先の金利が相対的に低い(=当初の返済額が少ない)ので、「まあ...ある程度上がってもこちらのほうが良いのでは」と思って選ばれるケースがあると思います。
そのあたり、具体的に検証してみましょう。
当然金利は上がるということ環境を設定しますが、ずっと右肩上がりで行くことは考えにくいですから「ある程度は上昇して下がる」としましょう。
変動金利型と長期固定金利型の返済額を比べてみます。
(1)変動金利型のシナリオ
2006年10月 2.625%
2007年10月 3.125% (+0.5%)
2008年10月 3.625% (+0.5%)
2009年10月 4.125% (+0.5%)
2010年10月 3.625% (-0.5%)
2011年10月 3.125% (-0.5%)
以降はこのあたりの水準で続くものとする。
(2)長期固定金利型のシナリオ
2006年10月 3.00%
以降はこの水準が続くものとする。
借入額:3000万円、借入期間:30年、元利均等返済で返済額がどうなったでしょうか。
(1)変動金利型
総返済額 → 約4721万円
(2)長期固定金利型
総返済額 → 約4563万円
この結果、総返済額は、約158万円差で(2)長期固定金利に軍配が上がりました。
思いのほか差がつきましたね。
(今回は金利優遇などの条件は除いておりますので、場合によって結果が異なります。)
ちなみに(2)長期固定金利が3.27%になるとようやく引き分けという結果です。
変動金利型は金利が改定されても、返済額がただちに改定されるわけではありません。
だから、金利上昇トレンドでは改定のたびに利息の割合が多くなっていき、それだけ元本が減るペースが鈍くなってしまうと影響をもたらします。
[参考:変動金利型 返済額イメージ(今回の例)]

コレを見ると実感できますね。
いかがでしたでしょうか。
「今まで」と「これから」は状況が違います。
変動金利型の選択については慎重を期して、目先の返済額だけで判断をしないないように...
「結果的に総返済額がいくらになるのか分からない。」
というリスクもしっかりと確認して取り組んでください。
それではまた。
投稿者 住むネット