考察:住宅ローンに関するアンケート結果から(2)
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの山下修一です。本年も宜しくお願い致します。
引き続き、昨年7月に住宅金融公庫が実施した「住宅ローンに関するアンケート結果」について考察してまいります。
前回は住宅ローンの「金利の動向」と「金利のタイプ」に関するものでしたが、取得時期によって回答結果が違っていたのは興味深かったですね。
今回ですが、借入れ内容に関するものを中心に考察して行きたいと思います。まずは返済期間についての質問項目です。
Q:住宅ローンの返済期間はどれくらいを予定されますか?
(住宅ローン利用予定者)
A:未定の回答をされた方(3.2%)を除いた結果です。
第1位 30年超~35年以下 22.7%
第2位 15年超~20年以下 19.5%
第3位 25年超~30年以下 19.1%
第4位 20年超~25年以下 15.3%
第5位 10年超~15年以下 9.9%
第6位 10年以下 8.7%
第7位 35年超 1.5%
15年~35年の間でばらけていますね。それでも30年前後と20年前後、大きく分けると2つのグループに分かれているように見えます。恐らくご自身で資金計画を立てて返済期間をこれぐらいにしておこうというのを持って回答されているのだと思われます。
と・こ・ろ・が・・・
同じ質問での回答を住宅ローンを利用した方から頂くとかなり違った結果になっています。
第1位 30年超~35年以下 54.5% (+31.8)
第2位 25年超~30年以下 15.1% (- 4.0)
第3位 20年超~25年以下 9.7% (- 5.6)
第4位 15年超~20年以下 8.4% (-11.1)
第5位 10年超~15年以下 4.9% (- 5.0)
第6位 10年以下 4.9% (- 3.8)
第7位 35年超 2.4% (+ 0.9)
※()内は利用予定者の回答割合からの増減です
当初考えていた年数ですが、実際にはかなり延びてしまっていることが良くわかります。大変興味深い結果ですね!
住宅ローンを実際に決めるまで、一体どのようなことが起っているのでしょうか?
とりあえず、次の質問項目も見ていきましょう。住宅ローン予定者と利用者との「考え方」の比較をしています。
Q:住宅ローンの借入れに関する考え方はどれですか?
(住宅ローン利用予定者)
A:その他の回答の方(0.2%)を除いた結果です。
第1位 頭金を準備し、月々の収入で無理
なく返済できる範囲で 49.6%
第2位 将来の生活設計を考慮し、事前に
頭金を準備し、計画的に借入れ 17.8%
第3位 ほとんど頭金なしで、
ほぼ全額を借入れ 14.7%
第4位 万一に備え、
余力(貯蓄)を残して借入れ 9.4%
第5位 親の支援や将来の返済能力向上を
期待し、可能な限り借入れ 8.3%
住宅ローンの借入れで無理をしないために、
「頭金をしっかりと用意して、計画的に取り組んでいこう!」
という気持ちが現れているような気がします。一方、住宅ローンを利用された方はどうだったのか?
その他の回答(0.4)を除いた結果です。
第1位 頭金を準備し、月々の収入で無理
なく返済できる範囲で。 46.6% (- 3.0%)
第2位 ほとんど頭金なしで、
ほぼ全額を借入れ 26.9% (+12.2%)
第3位 万一に備え、
余力(貯蓄)を残して借入れ 9.8% (+ 0.4%)
第4位 将来の生活設計を考慮し、事前に
頭金を準備し、計画的に借入れ 8.9% (- 8.9%)
第5位 親の支援や将来の返済能力向上を
待し、可能な限り借入れ 7.4% (- 0.9%)
「頭金なし」で購入された方(第2位)の割合が一番増えているのが大変気になります。その上、将来の生活設計を考慮し(第4位)と、頭金を準備して無理なく購入(第1位)の割合が減っています。
上記2つのアンケート結果から
○当初考えていた計画があっさりと変わっている
○住宅ローンの返済期間が長くなっている
○頭金を充分に準備しないで購入に踏み切っている
(住宅ローンの割合が多くなっている)
という傾向が読み取れると思います。
「資金計画をしっかり建てて、それを実行しているのかどうか?」ちょっと疑問に感じる結果ですね。
ご自身の生活設計や返済能力を考慮して無理のない資金計画で…
と意気込んで臨んだつもりが...
○出会った物件を買えるために
○住宅ローンを組めるために
を最優先した資金計画に変わってしまっているように思います。
物件を見て舞い上がってしまった気持ち、販売会社の熱心な営業に動かされたことも多々あるでしょう。
一方では、余力を残して借入れをした方(第3位)の割合についてあまり増減が無いことは、ご自身の資金計画を全うされた方もいるということが伺えます。
予定通りの方 VS 予定外になってしまった方
予定外の方にはどのような影響が現れてくるのでしょうか?
住宅ローンとは30年前後の長い付き合いとなるもの。
とても軽微とは思えません。
充分に検討を重ねた結果であれば良いのですが...
はい。本日はここまでにしまして、次回はアンケート結果考察の最終回。「住宅ローンを選ぶ際に重視されたこと」を予定したいと思います。
それではまたお会いしましょう。
投稿者 住むネット